おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
任天堂㈱の決算を見ています。見てるだけと言われないように分析しますので宜しくお願いします。
昨日は任天堂㈱は無借金経営であると書きました。かなりの衝撃ですね。
ではどのように資金繰りをしているのでしょうか?資金繰りであれば資金繰り表を分析することが有効であると以前ブログで書きましたが、資金繰り表は決算資料にはもちろんありません。
こういう時はキャッシュフロー計算書を分析していきましょう。
営業活動によるキャッシュ・フロー
+3,477億円
投資活動によるキャッシュ・フロー
△1,884億円
財務活動によるキャッシュ・フロー
△1,110億円
差引 +483億円
営業活動で稼いだCFで研究開発などの投資を行いながら、配当金も現金で支払いを行う。それでもなおCFは余って現預金の増加に繋げている。理想的なCFの使い方です。
中小企業診断士2次試験事例4対策としては、
まずは本業の稼ぎを示す営業CFは、売上債権や棚卸資産が爆発的に増えて資金繰りを圧迫します。また財務活動のCFの増加:すなわち借入金の増加により支払利息が増えて営業利益を減少させます。
投資活動のCFは今後の成長性を鑑みれば、投資した方が良いですね。無理のない範囲ですが。ですから投資活動のCFはマイナスの方が試験的には良いのかも。投資活動のCFを改善するって設備を売って金に換えることですからネガティブイメージです。
以上から
①営業CFを改善させる(営業CFプラス)
②営業CFで稼いだお金で投資に回す(投資CFマイナス)
③営業CFで稼いだお金で借入金を返済し支払利息を削減させる(財務CFマイナス)
①~③が事例4のCF問題の定番解決方法です。
営業CFは融資審査でも良く見ます。営業CFがマイナスという事は、現状その会社は営業でお金を稼げない会社という事ですから。この会社借入返済出来るのかな?という見方をするのは仕方ないと思います。
もう一つ良くみるポイントは営業CFのバラツキです。今期絶好調の時の営業CFは多分良い数値を叩き出すのでしょう。でもそれって今年だけの数値かも知れないですよね。
安定的に営業CFを叩き出す企業と毎年営業CFが大幅に違う企業では銀行が融資を出しやすいですか?そりゃ、安定的に営業CFを出す企業ですよね。
任天堂は無借金経営ですが、銀行の取引先でも無借金経営をされている企業は多いかも。
営業担当の時に「うちの銀行でも融資お願いします!」と言うと「うちの会社は無借金経営だから」みたいな会話がよく繰り広げられていました。ほんまかいなと思いながらもそれ以上営業トークも出来ず・・・。
今は私は融資全般を担当していますが、融資取引の無い企業の事は良く分かりません。そりゃ、決算書を見る機会も無いですし、そもそも銀行に決算書を見せてはくれません。
もし仮に無借金経営の企業がコロナウイルスのような突然の外部環境変化に見舞われて融資を受けたいと話があったらどうでしょう?
銀行はその企業に対するヒアリングを行い、一から分析する必要があります。ツーカーの仲とは行きませんので、タイムリーな融資は難しいでしょう。
無借金経営は資金繰りの面からしたら良いのかも知れないです。しかし、融資取引を少額でも行う事により銀行の対応も変わってきます。
自己資金内での設備投資ではビジネスチャンスも限られるでしょう。
無借金経営だから良いとは限らないという事です。任天堂のような企業はまた別物として考えた方が良いでしょうが・・・。
今日はここまでとします。
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