中小企業診断士けんけんの部屋

中小企業診断士及び銀行員としての日常を気ままに伝えます。

負債比率?自己資本比率?

おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。

 

私は普段タキプロという受験生支援団体のWeb勉強会というグループで活動しております。受験生の皆様から質問を受ける機会も多いです。

最近財務ネタが続く中で以前このような質問を受けた事を思い出しました。

 

 

Q.自己資本比率と負債比率、どちらの指標を使ったら良いでしょうか?使い分けた方が良いのでしょうか?

 

なかなか鋭い質問だと思います。自己資本比率と負債比率はコインの表裏のような関係性ですね。

多分正解は無いと思いますが、私なりの解釈を答えさせていただきます。

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昨日のブログでも書きましたが、試験問題を作る際には必ず「出題者の意図」があるはずです。まさかノープランでは試験問題を作りませんよ。

 

経営分析の結果問題を解く時には、

出題者のメッセージがどこに込められているか?

これを意識する事です。

 

 今日のコンテンツ

 

自己資本比率

これは総資本に対して自己資本がどれだけあるか?安全性の指標と呼ばれていますが

フォーカスされているのは自己資本です。

自己資本比率は総資本に対して自己資本が高い方が良い。つまり内部留保がどれだけ蓄積されているか?を見る指標です。

自己資本はどのように蓄積されるのでしょうか?結局は当期利益が利益剰余金として資本に流入してきます。

なので自己資本比率が低い=安全性が低い+収益性が低いという方程式が成り立ちます。

利益がほとんど出ない企業は当然自己資本比率も少ないです。当然、赤字連発の企業であれば自己資本を食いつぶしてしまいます。むしゃむしゃと・・・。

 

では自己資本比率の低い企業の改善策はどうすれば良いでしょうか?

増資をすれば良いのでしょうが、今まで赤字連発している企業がそう簡単に増資できるとは思えません。

結局は売上やコスト改善して利益が出る企業に変えていく必要があります。

 

②負債比率

これは自己資本に対して負債が何倍あるか?

フォーカスされているのは負債です。

負債が大きければ当然に支払利息が大きくなります。

支払利息が大きければ、経常利益率が悪くなります。

売上高経常利益率を悪くする為には支払利息に出題者はメッセージを込めます。

ちなみに負債を大きくするためには?あるあるパターンとしては設備投資でしょうか。

有形固定資産回転率:負債比率:売上高経常利益率の3つは親和性が高いです。

設備導入して借入が増える→ただ設備がダメダメ設備で売上に貢献しない→売上が低調なのに支払利息は増える→収益性・安全性・効率性共にダメダメパターンが出来上がりました。

話が逸れましたね。負債比率を改善するためにはどうすれば良いでしょうか?

負債を返済する必要があります。

 

違いは?

自己資本比率、負債比率共に安全性の観点を見る指標です。

でもニュアンスは若干違っています。

自己資本比率内部留保に焦点が当たっています。つまり体力のある企業という事です。今後外部環境の変化があって赤字が出ても会社自体は問題無いというイメージだと思います。

負債比率は焦点が負債です。負債が多いから悪い企業ではありません。ただし支払利息が多くかかることは事実ですね。借金が少ないと資金繰りは当然楽になります。

私の中では短期的な安全性に繋がるイメージです。

若干ですがニュアンスが違うことが伝わりますか?

診断士試験的には自己資本比率の場合は内部留保、負債比率の場合は支払利息や借入金に露骨にメッセージを入れてきますので多分分かると思いますが・・・。

 

ケーススタディ

例えばの話をします。設備投資で牛の牛舎を建てるとします。(仮にコナン牧場とします)総額で5億円かかりますが借入で調達します。耐用年数は仮に5年としましょうか。こんな短い訳はないのですが分かりやすくします。

①借入5億円発生→長期借入金5億円計上

この時点で負債比率は爆上がりです。この時点で負債比率が悪いといっても意味がありません。だって設備投資したばかりで売上は後からついてくるからです。

②牛の牛舎本格稼働し1年経過

借入は耐用年数以内であることが原則ですので、5億円を5年で返済します。

1年経過していますので、元金は1億円減っています。(残り4億円)

問題は1年後の利益がどれ位稼げているかです。

当期利益として1億円増加した場合→この1億円が内部留保として自己資本に蓄積されます。

(配当などは全て無視しています)

ただし当期利益として1千万円しか計上できない場合はどうなりますか?

負債比率も高いまま。自己資本比率も低いままです。安全性は低下していきます。

もし赤字だったら最悪ですね。自己資本を食いつぶしてしまいますから。

③コナン牧場5年後

コナン牛の大ヒットでコナン牧場も大儲け(ちなみに引用元は診断士ブログのコナンくんです。)

借金も5億返済しました。めでたしめでたしです。

問題はこの時点の自己資本です。つまり設備投資によりどのくらいの内部留保が蓄積できたか?

投資額の5億円以上の内部留保を確保できていれば投資成功。負債比率、自己資本比率も改善されています。

毎年赤字続きであれば内部留保を確実に少なくなっています。自己資本比率、負債比率共に少なくなっています。安全性ヤバし!!

 

ここで言いたいことは貸借対照表は決算時点1日限りの数値にしか過ぎないという事です。

損益計算書は1年間の経営成績を反映させていますので、必ず連動させることが大切です。

コナン牧場の投資1年目だけの貸借対照表を見て負債比率が高いから安全性が低いといっても無意味です。どちらかと言うと投資完了した時点での自己資本比率がポイントになってきます。

 

あまり最初の質問である自己資本比率と負債比率の使い分けの解答になっていないですが。

経営分析も数値だけではダメで、その会社の方向性が分かっていないと活用出来ないという結論になりました。

今日はここまでにします。

参考になりましたら、是非猫クリック!!宜しくお願いします。

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