おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
平成25年事例3を題材に記事を書いています。
設問分析から始めていきましょう。
私の場合は設問分析といっても題意(聞かれている事)の把握、制約条件、診断士としてのセオリー確認、解答フレーム確認を確認する程度です。
あまりガッチリ設問を分析しているわけではありません。
ブログを通して診断士としてのセオリーを中心に紹介していければと思います。
第1問(配点30点)
C社では、横ばいで推移している業績を改善するためX社のシェアが高い首都圏市場への参入を目指している。この課題について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
C社が首都圏市場への参入で活用すべき競争優位性は何か、60字以内で述べよ。
この問題は何が聞かれていますか?競争優位性ですね。
競争優位性とは何ですか?いわゆるC社の強みです。
事例3では強みを分析させる問題が良く出題されます。それも第1問で・・・。
令和元年事例3は出題されませんでしたが・・・。
なぜ強みを分析させているのでしょうか?
事例3の場合、強みを活かして成長戦略を行います。アンゾフの成長ベクトルでいう製品面と市場面の両方の視点からC社の成長戦略を考えます。
他の事例の強みを活かす視点は同じです。事例1の場合は人、事例2の場合は経営資源を活用すると言われていますが、強みを活かして成長していきます。
そして忘れてはいけないもの・・・リード文です。
「C社では、横ばいで推移している業績を改善するためX社のシェアが高い首都圏市場への参入を目指している。」
これはC社社長の方針です。
「横ばいで推移している業績を改善するため」
「ため」とあるから目的です。C社社長は業績改善を目指しています。
「X社のシェアが高い首都圏市場への参入を目指している。」
そして首都圏市場への参入を目指しています。それもX社のシェアが高い首都圏へ。
この段階ではX社が何者か分かりませんが、ライバル企業なんでしょうね。
X社とガチンコ勝負をすると言っている訳です。
そこで設問を再度振り返りましょう。
この設問では競争優位性を聞かれています。いわゆる「強み」です。
ただしその強みは「首都圏市場での参入で活用できるもの」でなければなりません。
それもX社とガチンコ勝負するわけですから、X社が持っていない強みで勝負する事がセオリーでしょう。
X社と同程度の強みで勝負しても、X社の方が首都圏市場でのシェアが当然高いわけですから・・・。
これ差別化の考え方ですね。事例2では鉄板論点です。事例3ではあまりこういう考え方はしないですが覚えておいて損は無いでしょう。
以上から与件文を読む時はX社の事が出てきたら要注意です。X社より優位性を保てる強みは何かを注意しながら与件文を読む必要があります。
ただ何も考えずに与件を読む事とは雲泥の差が出てしまいます。
字数は60字です。解答に編集するのが大変な可能性がある事が少し意識に留めておきましょう。字数が少ない=ラッキーとは限らないです。
試しに皆様が100字で書いた解答を80字に編集してみましょう?
結構大変な作業だと思います。100字で書いた解答の中で解答要素の重要度から優先順位を付けて再編集する訳です。要約作業とも言いますね。
この問題は環境分析系の問題ですので、強みを抜ければそれでOKです。しかし、字数が60字ですので編集に苦労するかもしれない。要は時間がかかるかもしれない・・・。
この時点でいろいろな想定が出来ています。
何も考えていない受験生とはこの時点で既に差がついています。
もう一つのテクニックとしては、助言問題と一緒に考えるというプロセスを私は取っていました。
この設問だけを単独で考えないという事です。
なんで強みを分析させているかは先ほど書きました。
逆に今後のC社の方向性から逆算して強みを分析する事も当然出来るわけです。
実際解答する際には第1問設問1で解答候補になりそうな強みを与件文からピックアップしておき保留しておきます。直ぐに解答には書かない。
最終的に助言問題との整合性を考えた上で解答に落とし込む。
こんなプロセスを私自身では取っていましたが、皆様に合うかどうかはご自身で試して下さいね。
設問1だけでこの字数になってしまいました。
診断士試験は奥が深いですね・・・。
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