おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
さて、今日の動画は甲斐キャノンVS快足ランナー和田の対決です。
意地と意地のぶつかり合い。
痺れますね。
さて、昨日は事業承継の話という事で書き始めました。
昨日のブログはこちら。
さて、社長が突然亡くなったX社についてもう少し詳細に書いていきます。
X社は創業5年目というまだ若い企業でした。
組織という組織は無く、社長と経理以外は全員ドライバーでした。
スタープアップ企業は社長のリーダーシップで会社が動きます。
創業5年で売上は急拡大してのは良いのですが、社長は銀行の思うがままに借入をしてしまいました。
銀行員の私は言うのもなんですが・・・。
でも良識ある銀行であれば、少し歯止めを効かせるはずなのですが。
このX社も中小企業診断士が寄り添ってアドバイスしていれば、こんな事にはならなかったでしょうに。やはり身近に相談できる人材は必要だと身にしみています。
そんなX社ですが、ほとんどがドライバーで後継者にあたる人物は誰もいません。
そこで起きた事はこの2つでした。
①従業員の大量離脱
②風評被害
一応は従業員の中の数名で事業は継続しました。
しかし、社長のワンマン体質の企業で肝心の社長がいなくなりました。
従業員は将来が不安でどんどん辞めていきます。
ドライバーも半分の人数に減りました。
そして、風評被害が一斉に広まります。
「X社はもうダメだ」「X社に頼んでもドライバーがいないし、もう先が長くない」
そんな話が一斉に飛び回ります。
そうすると仕事は徐々に減っていきます。
従業員離脱と風評被害であっという間に営業実態は無くなりました。
銀行としては営業実態が無くなったので、会社から融資金を回収する事は不可能です。
そうしたら連帯保証人である社長に請求するしかありません。
社長は亡くなっているので、法定相続人に保証債務が引き継がれます。
社長はアパート住まいで資産がありません。
社長の個人債務に加えて、会社融資の保証債務。
当然、負の資産しか無いので、法定相続人も相続放棄することは明白でした。
ここで回収不能が確定しました。
X社もスタートアップから取引先に恵まれて順調に売上が伸びていきました。
しかし、社長一人で管理する体制でした。
ここで経営参謀のようなパートナーがいればここまで借入は大きくなくて済んだかもしれません。
本当はメインバンクがこの役割を担うべきですが、今は収益重視で銀行も一つの企業にずっと関わる事が出来ない実情もあります。
このジレンマは年々大きくなっていきます。
X社はいろいろな不運も重なりました。
しかし、法人は多重債務。社長もいろいろなところからお金を借りていたそうです。
社長一人のリーダーシップは迅速な意思決定という点では優れていますが、経営の舵取りを間違えるとX社のようになってしまいます。
中小企業診断士の存在意義を感じる事案でした・・・。
今日はこんな感じで終わりにします。
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